弓削神社の四季(春7)闇夜の月見草

夜半の月見草、4枚の花弁の直径8センチ

去年の9月の月見草、直径8センチの純白の花、夕方に咲き翌朝には日の出とともに紅色の染まりながら萎んでしまう一夜花です。

5月10日月見草のつぼみが先端につきました。細長い蕾が茎の先端につきます。蕾には4本の赤い線が入り、花弁が4枚になることを示しています。夕方に開く花弁は白く、翌朝には薄紅色の変わって萎んでしまう前兆でしょうか。

月見草 あしたに見れば 紅をおび 廃れしのちに 何の華やぐ  斎藤史 

11日 つぼみが膨らみ始め、白い花びらがのぞいています。

その日の夜に開花しましたが、雨が降ってきて神社まで行けませんでした。冒頭の昨年の花の写真で想像してください。  次は深夜の開花した花びら(直径約8cm)と翌朝の花が萎んだ姿です。白色から薄紅色に変化していきます。        「うらめしや 闇夜に月みん 月見草 やるせなき身を いかんせん」 白水 

「河土手に 蛍の臭ひ すずろなれど 朝間はさびし 月見草の花」 北原白秋

オダマキ(苧環)の花、落葉性多年草、花色は白、黄色、紫、紅色など様々。  名前の由来は、花の形が筒状で、紡いだ麻糸を巻き取る苧手巻と言う糸巻きの姿に似ていることからつけられたそうです。

  源頼朝に捕らえられた静御前が頼朝の前で舞いながら義経を想って詠った歌、  「しずやしず しずのおだまき 繰り返し 昔を今に なすよしもがな」

「鳥籠の かたへに置ける 鉢に咲く 薄紫の おだまきの花」  正岡子規 

シランの花、ラン科の多年草。初夏葉芯より花茎を出し紅紫色の花を数個附ける。    「紫蘭咲いて いささか紅き 石の隈 目に見えて涼し 夏さりにけり」 北原白秋 (”夏さりにけり”は夏が来た と言う意味だそうだ) 

アヤメ、花弁の付け根に網目の模様があったことから「あやめ(文目、綾目)と呼ばれるようになった。花色は通常紫だが?・・・紫色のアヤメは一輪だけで、他は白花だった。

「ほととぎす 待てど来鳴かず あやめ草 玉に貫(ぬ)く日を いまだ遠みか」 大伴家持

八荘苑に生えていたのは、花弁の根元の黄色い模様がある白い花で、ハナショウブ(花菖蒲)ではないかと思う。花菖蒲は色が多彩で青、紫、ピンク、白、黄色、褐色などがある、宿根草。

芋カタバミ 道端にどこでも咲いている多年草。赤ピンク色の5弁花、地中で塊茎が節のように連なることから、別名をフシネハナカタバミ(節根花片喰)とも言う。

アッツ桜、ユリ科、球根、六弁花(三枚づつ互い違いに二段につく)この花にはおしべ・めしべが見えず、紅色の花びらだけです。おしべ、めしべは花の中心部の奥深く隠れているからです。 南アフリカ原産で、日本の暑さ・寒さに弱く、冬の休眠期に凍ると球根が腐ってしまうそうなので、来年また復活してくれるか心配です。学名はロードヒポキシス、半耐寒性球根、ユリ科。 和名のアッツ桜の由来は不明だが、アリューシャン列島のアッツ島を思わせ、アッツ島玉砕の霊を悼んで名付けたとも云われています。おしべめしべを隠しているのは、喪に伏している意味があるのではと思ってしまいます。

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