弓削神社の四季(冬2)初詣と山野草

鳥居の北側に植えた玉すだれです。在原業平の伊勢物語の第64段に出てきます。玉とは、御簾の内にいる高貴な人をさす美称だそうで、「吹く風に わが身をなさば 玉すだれ ひま求めつつ 入るべきものを」ひまとは隙間・秘間のことで、風になって御簾の隙間から入ってあなた会いたいものだ、と業平はいっているらしい。なんと平安朝の悠長なみやびさだろうか・?

一方、この間まで青々して実をつけていたホトトギスは枯れ果て地上に横たわっています。種がこぼれて再生するでしょうか、それとも地下茎から芽が出てくるでしょうか?

ここまで書いたところ、歳旦祭の準備で忙しく新年となってしまいました。皆さん明けましてお目出度うございます。

令和七乙巳年元旦、午前零時の花火を合図に、福徳円満、健康長寿、無病息災祈願が始まり、参列者が数人ずつお祓いを受けます。

風もなく寒さも和らぎ、甘酒のおもてなしには尚体が温まります。

参籠殿で弓削神社の御神札、破魔矢・お守り・熊手など、求める人々。

おみくじもご神木につながる細繩に結び付け、願いが叶うようにと念じるのです。願いが叶ったらお礼参りをしましょう!!

さて、八草苑の山野草のうち、今だに青々としているのは幾つあるでしょうか?常緑多年草は玉すだれ、ヤブラン、カワラナデシコの3種でした。姫檜扇、芋カタバミ、ムスカリは休眠後に芽生えて、今は青々としています。

芋カタバミ(芋片喰)

ヤマトナデシコ(河原撫子)

ムスカリとオダマキ

姫ヒオウギ(姫檜扇)

玉すだれ(玉簾)

聖徳太子が3歳の時、父から”桃と松ではどちらを好むか?”と問われ、「桃は一端の栄木也、松は万年の定木也」、「花も木も 枯れたる野辺に 唯一人 松のみ残る 弥陀の本願」と答えたという。一瞬の花よりも、常緑の松の葉に永遠の命を感じたそうだ。しかし一時の花に惹かれるのも又人情というものではないか?

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