宮司あいさつ

 平素より弓削神社の護持運営に氏子の皆様、崇敬者の皆様の御理解と御協力を賜りまして厚く御礼申し上げます。

 当神社は延喜式所載甲斐國二十座の内の一社であり、千二百年以前の創立で往古より市川大門の総氏神として此の地に鎮座しています。社号のユゲ(弓削)はユキベ(靭部・弓矢を入れる為の動物皮の筒)にて靭部社とも言われ、創建は遠く成務天皇の時代と云えます。氏子の方々からは古くから身近な神社「二ノ宮さん」として親しまれてきました。

 市川大門は甲府盆地の南西に位置し、釜無川と笛吹川が合流した富士川の東部にあります。また黒岳に源を発する芦川が笛吹川に合流し、分流した清水は市川中央部の水路網を通り当社にも境内の東西に沿って流れており、此の水で禊をした時代もありました。 

 社叢の大部分が白樫の自然林で景観は県下でも希であり、清閑な佇まいの中にある境内の鳥居・隋身門・拝殿・本殿全て市川三郷町指定有形文化財に指定されています。ご参拝いただき、悠久の歴史や白樫の木立の清々しさを感じていただきたいと思います。

 祭祀につきましては、神社関係者多くの方々にご協力いただき斎行されます。例大祭に関しましては、コロナ禍においては祠神輿を少人数で担ぎ、昨年は例年通りの御神輿にて御神幸が行われました。有形無形の伝統文化を継承していくことが皆様の平安や発展に繋がると信じ、祭祀の厳修に務め神明奉仕に勤しむ所存です。

 皆様の御健康、御多幸をお祈りし、挨拶とさせていただきます。

弓削神社 宮司

齋藤 實