弓削神社由緒 本殿建之弘治二年について
本殿の建立年についての問い合わせがありましたので調査の結果を記しておきます。
質問は市川三郷町指定有形文化財の建之年とそれを確認できる資料を提示する事。
(☆印は出典を示す)
1 鳥居
両部鳥居 建之 文政年中(1818~1829)☆由緒並財産調書・明治二十八年二月
☆平成27年10月解体修理復元の際、鳥居笠木の組み立て部(親柱の先端)の墨書
きにより文政3年(1820)の建之であることが判明しました
鳥居笠木の組み立て部(親柱の先端)の墨書き:
源定保代 棟梁秋山・・
立柱二本・・ 文政三庚辰歳 上手河原 二月
棟梁 秋山・・・
☆鳥居解体時の親柱上部の墨書き
☆同時に宮司宅に蔵置されていた棟札には
奉再建甲斐國八代郡市川大門村鎮守産神
弓削神社鳥居一宇
文政二年歳次 己卯十一月十日手斧初
庚辰二月二十一日上棟 神主青嶋美濃介
由岐部定保
(二十六代・明治2年(1869)卒)
(裏面)
當所 御代官
鈴木傳市郎 (第十一代市川陣屋代官・文化十一年~文政四年)
当村 卯年 名主 渡邊甚七
辰年 名主 石原重右ヱ門
卯年 世話人 村松多右ヱ門
一ノ瀬六郎左エ門
西木半兵衛
辰年 世話人 権右エ門
塩澤喜平治
惣世話人中
惣産子中
棟梁 秋山久蔵
小工 周右エ門
同 依田友次郎
2 隋身門
入母屋造り瓦葺 六脚門(前室なく吹き放し)
三間一戸楼門 円柱 組物二手先 中備撥束 無彩色
建之 天保元年 ☆由緒並財産調書・明治二十八年二月
3 拝殿
入母屋造り平入高床式寝殿造り向拝付き
建之 年代不詳
4 本殿
三間社流造り 銅板葺 無彩色 (昭和37年檜皮葺を銅板葺に変更)
建之 弘治二年 ☆由緒並財産調書・明治二十八年二月
☆社宝古代獅子頭の下腮の墨書き
☆社宝古代獅子頭の下腮の墨書き(並山日記(四)・黒川春村、絵師松本亀岳(1818-1862)
弘治二年丙辰治部卿 造之
奉再興二宮神殿
二月吉日神主出雲守 以上